活動の目的
国宝「旧開智学校」をはじめ、明治から昭和期のノスタルジックな建築物が数多く残る、長野県松本市。2022年1月初開催の「マツモト建築芸術祭」では、日本の近代化を象徴するそれらの建築物と、時代・地域・歴史に囚われないアート作品を、対比・融合・共鳴させるという新しい試みを行いました。
本芸術祭は、世界的に活躍するアーティストらの芸術的な質の高さだけではなく、多種多様な「名建築」を再評価することで生まれる保全活動への機運や、周遊型の鑑賞スタイルによる観光・サービス業の活性化など、さまざまな視点から地域を活性化させる試みを目的としています。
活動の内容
今年度は取り壊される予定の旧松本市博物館をメイン会場として使用。国内外の17組アーティストが参加し、建物内の各場所にアートを展示し、鑑賞いただきます。(他会場は新松本市博物館、信毎メディアガーデン)。また、豊富なアソシエイトプログラムにより、アートの生まれるところをより身近に感じていただきます。
参加作家、参加人数
参加作家17組。参加人数(31日間の総入場者数)6万5300人(無料展示、屋外展示を含む)
他機関との連携
松本市後援(名義後援ではない)、長野県名義後援、長野県全地域メディア後援。
活動の効果
多くのお客様がお越しになり、芸術祭を楽しんだ。来場者の6割は県外からお越しになった。内訳は東京など首都圏が多く、続いて関西、北陸からも多くのお客様がお越しになった。また県内のお客様も多くお越しになり、身近な場所で高いレベルのアートを鑑賞できることを喜んでもらえた。
活動の独自性
失われていく名建築を全面的に使用して、多くの現代アーティストが参加する芸術祭は稀。また冬季のこの規模の芸術祭を開催するのは地方では珍しい。
総括
松本市にとって冬は観光の閑散期で、この時期に芸術祭を開催することに、行政、飲食店、宿泊業など観光業界からも喜ばれた。この時期にも関わらず、多くのお客様にお越しいただき、成功に終わった。メディアからの評価も高く、全国にマツモト建築芸術祭のコンテンツを広く知らしめた。