活動の目的
1)地域資源、ひと、暮らし、⾵⼟、地勢、⼟地の記憶に光をあてる
2)新しい観点・⼿法・発信⼒を⽤い多様な価値観と創造性の理解伝達に努める
3)⼈と⼈・地域との絆、コミュニティ復興の契機となる
4)地域振興と経済活性、福祉教育の振興へ貢献する
5)住⺠と第三者が協働し地域の価値を「再発⾒、再編集、再構築」する機会の創出
6)住⺠の活⼒の創出、居場所や仲間づくり、⼈材育成(当事者・主体性意識向上)に努める
7)世界の多様性を尊重し、「共⽣の⽅法」を考える動機となり続ける
活動の内容
「アースダイブ白老/登別2023-アイヌ語地名から探る土地の記憶-」古い記憶や地図をヒントに歴史や風土を読み解くことでアイヌ語地名が息づいていた時代へのバーチャルなダイビングを試み、古地図を片手に土地を歩き、地形や景観、植生等を実感することでかつての人々の暮らしや生活環境を想像しながら、土地に息づく文化を体感する座学を交えた体験型フィールドワークプログラムを実施した。「歩いて巡る屋外写真展」白老町内の二地域(社台、虎杖浜地区)の海岸沿いを歩き、追想する日常生活の営みの記録を体感するプログラムにおいて、地域住民、地元高校生との保全活用活動を実施した。
参加作家、参加人数
アースダイブ講師→谷本晃久(北海道大学文学研究院教授)、マユンキキ(アーティスト、アイヌ文化アドバイザー)、菅野修広(登別市教育委員会学芸員)参加人数計20名、屋外写真展保全活用作業→参加人数計25名
他機関との連携
公益財団法人アイヌ民族文化財団/北海道教育庁胆振教育局/NPO法人北海道遺産協議会
白老町/白老町教育委員会/白老町町内会連合会/白老町商工会/白老建設協会/一般社団法人白老観光協会/協同組合白老商業振興会/虎杖浜竹浦観光連合会/一般社団法人白老青年会議所/白老町文化団体連絡協議会白老民族芸能保存会/白老美術協会NPO法人しらおい創造空間「蔵」/白老おもてなしガイドセンター/株式会社北海道新聞社/株式会社苫小牧民報社/株式会社室蘭民報社
活動の効果
アースダイブでは地元の土地に根付くアイヌ文化を感じ得る体感の提供ができた。フィールドワークを介した他者や町民同士とのコミュニケーション、多様な価値観への理解促進の場面が見られた。当日は外国人の参加者もあり、ポケトークを使用して多言語対応をした。参加者の満足度も高い評価であった。
屋外写真展においては地元高校との協働を図り、計10名の高校生が参加し、作品の保全活用、地域住民と当団体とのコラボレーションが存分に図られた。今後高校とは引き続き地域活動の協働を継続するという前向きな協議も行われ、地学協働においても十分な成果が上げられる結果となった。
活動の独自性
アイヌ文化の歴史、伝承が多く残る白老町、登別市において広域連携を行いながら、座学とフィールドワークを実施し、先人たちが暮らしていた同じ土地でかつての生活環境を想像できることは本地域以外では経験できない体験である。また、白老町内の東端と西端に位置する二つの集落に設置されている屋外写真展を保全活用することで、地域の歴史、魅力を再発見するとともに、周遊性の向上、消費活動の拡大、滞在時間の増加等白老独自の文化観光が推進されている。また、保存会を立ち上げ今後地域移行していくため継続性という点においても白老町の独自性がある事業になった。
総括
参加者の満足度の向上、初めての外国人対応、地元高校との協働、地域の世代間交流の促進等多くの収穫があった。また、写真展については地元保存会が発足し、地域移行までつながったことは一つのゴールの形を示したのではないか。今後も同様なプログラムにおいて、地域移行が図られ、地域に根付き、継続するという形態まで促していく活動を継続させていくことが当実行委員会に求められると考える。課題としては地元アイヌ協会との協働を図ることが出来なかったことが挙げられるため、次年度以降、当団体として信頼回復と新たな事業実施を含めて協働を図り、取り組んでいきたい。