活動の目的
豊島における棚田をはじめとする山の幸と瀬戸内の地魚である海の幸などを活用し、食とアートの活動を展開することにより豊島の振興を図ることを目的とする。地元の住民、観光客、豊島美術館が一体となったプログラムを開発し、地域振興のための複合的な活動を続ける。
活動の経過
2010年(平成22年)に第1回瀬戸内国際芸術祭が開催。同年に開館した豊島美術館の建設予定地が唐櫃に決定した時点で、香川県から美術館の予定地周辺の環境整備(具体的には棚田の復活)を県事業で行いたいので、地元に協力してほしいという依頼があったのが、活動の始まりである。
2009年:4月に発足。補助事業により、棚田の復元作業を行う。
2010年:瀬戸内国際芸術祭2010の開催と豊島美術館の開館に合わせ、周辺環境の整備と棚田の復元作業を行う。
2011年以降:復元した棚田での耕作・維持管理のほか、3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭への協力、また、豊島棚田の収穫祭や季節の野菜の収穫体験を開催し、観光客と地元の交流を通して、豊島の魅力の発信を続けている
活動の成果
復元した棚田での農作物の栽培と景観の維持管理が活動の中心である。
管理された棚田の風景は、隣接した豊島美術館、眼下の瀬戸内海と一体となった絶景であり、観光客だけでなく島民の心にも深く印象付けるものになっている。通常の維持管理のほか、年に3回は、地元住民、福武財団、町役場職員が協力して、用水路の清掃と周辺の草刈りを行い、豊島美術館を訪れた観光客が、いつでも棚田のあぜ道を歩き、昔ながらの農村風景を堪能できる環境を提供している。非常に労力が必要な活動であるが、単なる田畑としての役割だけではなく、豊島の観光資源として価値を信じて、今後も維持管理を続けたい。
これまでの棚田保全活動が認められ、農林水産省「つなぐ棚田遺産」に認定、香川県「さぬき棚田アワード」に選定された。
棚田でのイベントの開催については、田植え体験、さつまいも収穫体験、みかん狩り、収穫祭(稲刈り体験など)のイベントを開催した。収穫祭では、稲刈り体験等の収穫体験のほかに、キッチンカー等によるマーケットも開催し、島内外からたくさんの来場者があった。