瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

狛犬から直島の江戸時代を見てみよう 狛犬パネル写真展&探訪会&講師講演会

小豆島狛犬探究会

  • 香川県,
  • 小豆島、令和2年度高松市庵治町牟礼町、令和3年度丸亀市広島町、令和5年度香川郡直島町予定,
  • 2023
実施期間
2023年4月2日~2024年2月25日

活動の目的

狛犬は、表情があり子供から大人までが馴染める石造物である。そのフォルムから出身地や奉納年代が推定できる石造物でもある。その特徴を活かして狛犬からその地域の歴史を推し量り、それを地域の魅力のひとつとして価値を再発見してもらい、大事に継承してもらう一翼を担う。身近にある氏神様の狛犬を調査することから分かる、瀬戸内の島々からみた直島の昔の様子を地元の人にお知らせする。

活動の経過

•令和5年4⽉から調査、撮影。
•8⽉27⽇に⼦ども対象の探訪会「こまいぬさんぽ」開催。直島内の親⼦3組。暑い時期でもあり、外歩きのあとは、屋内にて狛⽝の絵を描いてもらった。
•9⽉10.11⽇、講演会予定講師の先⽣と調査、研修会をした。講師の⽅の視点は広く、いろいろな情報が得られた。
•11⽉5⽇、⼀般の⽅向けの探訪会を開催。島内外の20余名参加。
令和6年、年明けから、パネル展の準備。2⽉10⽇に展⽰準備。11⽇から13⽇間パネル写真展を開催した。
•11⽇は、⻑⾕川修⼀⽒「瀬⼾内海と直島の成り⽴ちを知ろう」講演会をした。当初の予定にはなかったが、住⺠の⽅の要望により実施した。
•18⽇、⼦ども⽤のこまいぬハリコお⾯作りをした。有料だったこともあり、参加者が少なかった。
•25⽇講演会⼆件。磯辺ゆう⽒の「直島護王神社狛⽝から⾒えてくる浪花狛⽝の世界、特に蝦蟇型について」。杉本厚典⽒「近世⼤坂の⽯屋分布と廻船」。講演会後、展⽰の撤収。

活動の成果

11カ⽉の間、直島へ通った。6回のイベントをした。徐々に住⺠の⽅と知り合いになり、いろいろな情報をいただき、最終イベントのパネル写真展にたどり着いたという感じである。探訪会はアンケートの結果、23名中23名が直島の江⼾時代に興味を持ったとの回答でした。島外参加者からも⼤変好評でした。パネル展では「江⼾時代を⾒てみる」という点ではもう少し⼯夫があってもよかっ た。しかしながら、住⺠の⽅には「狛⽝を今までじっくり⾒たことがなかった。」と、パネル写真をじっくり眺めて、解説⽂を読み、瀬⼾内の島々にも直島同様に江⼾時代の狛⽝がたくさんあることを知ってもらい、廻船業の盛んだった直島の江⼾時代に思いを馳せてもらえた。⼦ども達には、狛⽝を⾒に⾏き絵に描き、狛⽝が200才くらいの古いものであること、⼤⼈達が⼤事にしてきたことを感じてもらえた。住⺠に対して、江⼾時代の知識を補完したのは、4⼈の講師講演会だった。それぞれ違った⾓度からの講演内容で、直島の新しい魅⼒の再発⾒になった。「知らないことばかりで、興味深かった。」という感じのアンケート回答が多かった。地域の歴史に関⼼の⾼い⽅々が多く参加してくださったので、これからのイベント等に何かしらのヒントになったと思う。直島町の教育委員会担当者さんより狛⽝のパネル写真を地域の⽂化展の時に借りられないかと⾔ってもらった。新しい住⺠の多い島、狛
⽝写真がたくさんの⼈の⽬に触れ、地域の歴史に関⼼を持ってもらうきっかけとなり、語られることを望みます。来場者は、推定で約130名。護王神社の狛⽝の奉納年から、町史にあった嘉永2年ごろに船舶の数が増える⼿がかりが⾒られるかと思ったが、わからなかった。当初磯辺ゆう⽒から護王神社の狛⽝制作⽯⼯は和泉屋五郎兵衛という⾒解だったが、詳細な調査のうちに確定はできないということにいたった。杉本⽒が講演の中で紹介した三宅家⽂書からの船積み荷の話は 、地元の⽅にとっても⾝近な話だった。論⽂化されても⼀般の住⺠の⽬に触れることが少ない史実を講演会を通して住⺠の⽅に知ってもらうのも活動の⼀つだと再認識した。

  • 直島狛犬パネル写真展(直島町総合福祉センター)

  • 直島狛犬探訪会で藤原好二氏の解説

  • 狛犬講師講演会(磯辺ゆう氏)