活動の目的
大地の芸術祭は、「人間は自然に内包される」というコンセプトのもと、現代アートを通じて人と自然の関わり方において新しい価値を生み出し、国内外の文化交流人口を増加させることで地域振興を図る。また、過疎高齢化が進む越後妻有地域において、地域に内在する価値を、現代アートを媒介として掘り起こし、その魅力を高め世界に発信し、地域再生の道筋を築くことを目的とする。今回新たな取組として大地の芸術祭を長期開催し、四季を通じた企画展を実施することで、季節ごとに移り変わる本地域の魅力を発信し、通年誘客促進を試みる。
活動の内容
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024は、7月13日から11月10日までの間で計89日間開催した。過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地である十日町市・津南町からなる越後妻有地域全域にアート作品を展開し、期間を通して様々なプログラムを企画・実施した。越後妻有地域は、「十日町」「川西」「中里」「松代」「松之山」「津南」の6つのエリアで構成されており、約760㎢の広大な地域を巡るなかで里山の生活文化を体感することができる。加えて、芸術を五感で楽しめるよう、地元食材を使った郷土料理を提供するレストランや各種バスツアーを多数実施した。
参加作家、参加人数
【参加作家】
42の国と地域から278組の作家が参加
田島征三、原倫太郎+原游、深澤孝史、ジミー・リャオ、マ・ヤンソン / MADアーキテクツ、イリヤ&エミリア・カバコフ、アントニー・ゴームリー、レアンドロ・エルリッヒ、ニキータ・カダン、ほか
【入込客数】
545931人
他機関との連携
特定非営利活動法人越後妻有里山協働機構と芸術祭の開催を連携して実施した。新潟県からは本事業の広報活動に関して側面的な支援をいただいた。また、2022年の前回展に続いて企業単位で作品受付に入る企業サポーターの取組を実施した。
活動の効果
前回展翌年度から今回展までの2023年度・2024年度における新潟県内の経済波及効果は97億9300万円となり、前回展を上回った。前回展の開催日数であった約145日間に比べて今回は計89日間にわたり開催し、入込客数は前回展の95.1%となった。一日あたりの入館者数では、前回展3935人に対して今回展は6091人と約1.5倍の入れ込みとなった。国内外から多くの方から来訪いただき、世界銀行が発行した地域活性化に関するレポートに大きく取り上げられたり、イギリスの老舗新聞社「ザ・タイムズ」が発行する富裕層向けの冊子にも掲載された。
活動の独自性
2000年から開催している大地の芸術祭は、アート作品、作品展示場所の自然・風景・食・地域住民との交流など、越後妻有の里すべてを含めたものを「アート」として展開している。来訪者はリピーターも多く、国、地域、世代ジャンルを超えた人々の交流と協働が、過疎高齢化の進む本地域に新たな価値を生み出している。そんな大地の芸術祭は、今や国内外から50万人超が訪れる世界最大級のアートフェスティバルとなった。現代アートを媒介にした広域連携による地域づくりに取り組む先駆者として、経済効果や交流人口・関係人口の拡大を地域にもたらしている。
総括
新型コロナウイルス感染拡大によるコロナパンデミックが収束し、ポストコロナ時代における大地の芸術祭の開催となった。また、第5回から文化庁による支援のもとに開催していたが、第9回展では、初めて文化庁との共催で開催した。具体的な効果としては、日本博事業の中での国内外へのプロモーションが行われるなど、国の事業としてのアプローチが実現した。「大地の芸術祭」の里としてのブランド化と認知の促進を図ることで地域住民の活力の源や活性化に大きく貢献している。