活動の目的
2024年は⼩林和作没後50年の節目にあたり、2020年から続けてきた「和作旧居再起動計画」は集⼤成の段階を迎える。長年傷んでいた建物も庭も含めて協力者と共に整備し、アーティストインレジデンスにも使える文化交流施設として完成させ、今後⾃⽴して存続できる形を模索していく。また、この活動を通して、尾道旧市街界隈の⽂化的記憶の⾵化に抗い、次世代への継承をハード・ソフトの両輪で推進することを目的とする。
活動の経過
活動の経緯は以下の5つの段階にわけられる。
①和作旧居と庭、瓦全房のハード面での整備
②和作研究会の毎月開催
③「建築塾たてもの探訪編」と「小学生の絵画教室」の開催
④「和作ウィーク2024」の開催
⑤アーティストの滞在制作の開始
・和作ウィークでの建物完成のお披露目に向けて、職人さんと多くのボランティアの協力で整備を進めた。
・地域の学芸員や美術館メンバーを中心として和作研究会を毎月開催した。
・地域の文化的記憶の継承として、建築士や大学教員を講師に、町歩きツアーを2回開催した。
・昨年好評だった夏休みの「絵画教室」を実際に画家が暮らしアトリエとしていた和作旧居で地元の美術学生を講師に地元の小学生を対象にして4日間行った。
・11月4日の小林和作50回目の命日の前後6日間を4回目の「和作ウィーク2024~小林和作とは何者か?~」を開催。今年は小林和作本人に焦点を当てた「マルチプレーヤー和作」「未完の和作」というタイトルで旧居に残された画材や資料、地元の方から提供があった作品などを中心に展覧会と建築士と共に建物ツアー、トークイベントに加え、小林和作と交流のあった文化人を囲んでの記念植樹や茶話会も盛大に開催した。同時公開の旧小野産婦人科の「瓦全房」では「和作の引き出し」という展示を壁画や襖絵の公開と共に行った。
・秋には地元の美術館で展示をするシンガポールアーティスト3人による1ヶ月の滞在制作を行い、地元の美術学生も多く参加した交流会を開催した。
活動の成果
・解体寸前だった築90年ほどの建物が再生され、アーティストの滞在制作ができるまでに至った。11月には念願の国の登録有形文化財に登録され、尾道の貴重な文化資源として周知されるようになった。
・毎月開催している和作研究会を通して、地域文化の発掘や継承、文化人の世代間交流が図られ、その成果として「空きプレス」の特別版の発行と和作ウィークで多世代の参加にこぎつけた。
・地域の文化資源やその足跡を巡る「尾道建築塾たてもの探訪編」では、2回とも定員を上回る申し込みがあり、関心の高さが伺えた。
・「小学生の絵画教室」も定着してきて4日間で42人もの地元小学生が参加してくれた。
・和作ウィークでは、6日間で400人を超える来場があり、大好評に終わった。
今回は没後50年の記念植樹を重鎮お二人にお願いし、小林和作と実際に交流があった世代から知らない世代までの良い交流の機会となり、諸先輩方々からも喜んでもらえたのは励みとなった。
・建物が整備されてから初の外国人アーティストインレジデンスを実施し、シンガポールからの若手アーティスト3人が1ヶ月間に渡り滞在制作した後に地元の大学美術館で展示という一連の理想的な流れを生み出せた。
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和作ウィーク展示とトークの様子
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和作ウィーク植樹際の様子
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シンガポールアーティストとの交流会の様子