瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

歴史的建築物の保存・活用促進事業:西国街道三原本町の地域資源を未来へつなぐ人材・コミュニティづくり

株式会社まちづくり三原

実施期間
2025年4月3日~2026年3月31日

活動の目的

事業対象地域である三原市本町地区は、旧西国街道として栄えた歴史的なまちなみが残る地区であり、「魅⼒あるまちなみづくり事業」の対象地区として景観保全事業が実施されるなど、地域の魅⼒発信を担う地区として機運が⾼まっている。 その⼀⽅で、地域の実情としては、地域住⺠やまちなみ保全を⾏う地域組織におけるプレーヤーの減少や⾼齢化等により、地域に残る古⺠家等の主体的な保存・活⽤が困難となり、ついには解体・更地となり地域資源が⽇々失われている現状があり、物件を活⽤できるプレーヤーの確保が課題となっている。 こうした課題を解消すべく、「まちなみを構成する古⺠家等の地域資源の保存・活⽤」に必要な、プレーヤーとなる古⺠家等の物件活⽤希望者(=「まちの担い手」)が⾃ら、あるいはチームで個別の物件活用を進められるよう、物件活用への技術的な支援やコミュニティづくりを目的とした活動を行った。

活動の経過

本活動の主要な事業として、古⺠家等の物件活⽤のための技術的ノウハウを得つつ、実際に⼿を動かす経験ができる「リノベーションワークショップ」を各回10名程度の定員として一般参加者を募集する形で行い、令和7年10月18日~12月7日のうち計5回実施した。個別内容は、①家財処分、②土塀修復、③木工造作、④床張替え、⑤漆喰塗りとした。
これらに向けた活動として、地域組織や市行政と連携し、先ずは事業対象地域内で空き家となっている古民家の所有者の探索・コンタクトを行った(令和7年4~5月)。その中で、本事業の趣旨に賛同する古民家所有者から利用への同意を得た後、事業対象となる物件の必要な改修メニューを所有者と協議(同6月~8月)。その上で、周辺で事業を営む大工や左官業者などの職人と、施工および講師を行う内容について調整し、事前準備を並行して進めた(8月~11月)。
また、ワークショップ事業後に各プレーヤーの物件活⽤を⼀層促進する仕掛けとして、協⼒関係を⽣かしチームで取り組むことも可能とする⼟壌をつくるため、本ワークショップを通じたコミュニティを設け、ワークショップと並行して運営を開始した(令和7年10月~)。ワークショップの工程が全て完了した後、コミュニティミーティング(令和8年1月)および先進地域視察会(同2月)を実施した。

活動の成果

ワークショップは5回で延べ59名(実人数24名)が参加した。内容により定員の拡大が可能なものは参加枠を広げたが、キャパシティを超える回については、参加動機等をもとに事務局が参加者を選考する形となった。
本活動を通じ、物件活用という共通のテーマを持つ周辺住民が多数事業に参加したことで、本町地区という事業対象地域への関心も深まり、「まちの担い手」の確保という当初の目的に近づいた。実際に、ワークショップ後も本事業でテーマとした事業対象物件の改修作業を参加者が継続的に手伝う動きがあり、また、参加者が手掛けている事業対象地域内外の物件活用の個別プロジェクトにおいて、参加者同士や講師も含めて、改修作業協力や勉強会を行っているなど、現在は「まちの担い手」の動きが自走している状況になっている。
また、地域組織や市行政と連携し本事業を実施したことで、今後の「まちなみを構成する古⺠家等の地域資源の保存・活⽤」への事業に向けた協力関係の構築にもつながった。さらに個別では、本事業で物件の提供に協力を得た所有者とも信頼関係を築くことができ、今後こうした活動に引き続き物件を活用してほしい旨の意向を事業後に得られ、令和8年度以降の事業展開にもつながった。

  • 主要事業として行ったワークショップには、各回予定定員を超える参加者が集まった

  • 職人の講師による説明を受けながら、実際に手を動かし改修を行った

  • ワークショップ事業全行程後にコミュニティミーティングを実施。「まちの担い手」となる参加者同士や講師とのつながりが生まれた