瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

安芸⾼⽥市の空家再⽣事業「⼟に還る家」:廃棄物問題をベースとし、瀬⼾内広域圏をつなぎ、地域資源 を活⽤したエコロジー実践の場を作る

Yellow River College

実施期間
2025年4月1日~2026年3月31日

活動の目的

①2024 年度に開始したコミュニティカフェを継続し、地域住⺠やコミュニティと、本団体の拠点である空き家、及び団体メンバーとのネットワーク形成強化を図る。具体的には、定期的な「オープンミーティング(井戶端カフェ)」の開催により拠点を地域に解放する。今年度は地域団体の企画する自然教室と連携し、共同でのイベントを行うことで、関係人口の拡大を図った。 ②各メンバーが企画するワークショップを開催する。今年度は本団体の重要な資源である土に着目し、様々な地域や拠点近郊の土を収集し、土にも多様な色や質感があることを確認した。また、その土から画材を作る、色を塗る、という体験学習を行った。 ③拠点周辺環境の掘り下げ調査、並びに、将来的に拠点をラボラトリーや文化施設へと発展させるため、アーティスト・イン・レジデンス事業を開始する。具体的には、地域の自然や文化をテーマに活動するアーティストの招聘・滞在制作、及び滞在成果展や座談会を開催する。それらの活動に必要な宿泊、制作、水回りなどの拠点整備を行う。 ④同市内隣町の吉田町にある民家の立ち退き・家屋解体で生じた資材を再利用し、循環を通した場所づくりを受講生と学び・ともに実践する。古民家がどのような資材を使って組み立てられているかを学び、廃材のリサイクルや、エコロジカルな建材や施工方法を学習し、空間デザインや作品へと発展させることのできる知見や発想力のある創作者を育成する。

活動の経過

より充実したアーティスト・イン・レジデンスの実施のため、年度前半に2025年度の大きな目標であった「拠点|安芸高田の家」における短期滞在(1日~数日)を可能とする空間整備を実施。

大学における芸術家等育成事業とも共働し、廃材のリサイクルや、エコロジカルな建材や施工方法を地域の大学生や若手アーティスト等が学習参加しながら場所づくりを行った。これらの作業を通して、年度後半に、将来的な空間の枠組みを再考し、地域の土の調査を行いながら、キッチン周辺エリアの三和土ワークショップを実施。

時を近しく、アーティスト・イン・レジデンスを開始し、その成果発表や土から作るクレヨンワークショップ同時開催する展覧会を3月に開催。展覧会会期中に、招聘作家とまちづくりに関わる活動者をゲストにしたオープンミーティングも実施した。

また、これらの活動を、レビューを交えた冊子として発行し、中長期的な活動にむけた普及広報として活用していく予定である。

活動の成果

本年度は初めに、大学との連携によるワークショップや講義等を行ったことで、安芸高田地域だけでなく、主に広島市の大学生・大学院生、若手芸術家など、これまでこの地域と接点が少ない層との間で人的交流を通した自然素材学習、環境課題への思考の機会を得ることができた。

これらの活動中、当団体の実践に深い関心を持つ参加者が現れ、本事業のワークショップファシリテーションや、展覧会やレジデンス事業の運営参加など、若手人材との関係を新たに築くことができた。その過程で、イベントのコーディネートや展示制作におけるノウハウを提供することで、人材育成の端緒となる場を展開することができた。

また、展覧会関連イベントとして行ったオープンミーティングでは、近隣の住民、並びに文化芸術関係の空間運営者、施設の相互利用を行う共同者、自治体関係者など、子供から年配者まで幅広い参加者とともに意見交換ができる場となった。「地域・文化の課題解決の一つとしてのアーティストの表現活動/アイディア/生き方」などの言葉を媒介にしながら、ミーティングでの議論展開の有効性も得られた。

拠点へは、イベント開催時だけでなく、年間を通して、研究者、アートコーディネーター、アーティストなどの県外/海外からの来訪もあり、今後、瀬戸内広域圏を中心に広く発信できる専門家間のネットワーク形成も継続している。

  • 【ワークショップ】「梅プロジェクト × オオサンショウウオ講座」実施風景

  • 【ワークショップ】海と山の素材を繋げる・土間たたきワークショップ

  • 【アーティスト・イン・レジデンス】第一回招聘作家イタイミナコ