瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

【犬島パフォーミングアーツ助成】ANTIBODIES Collective 犬島公演のためのリサーチ &WS、パフォーマンス

ANTIBODIES Collective

実施期間

活動の目的

6回のリサーチの機会に、公演会場やワークショップの会場リサーチ、回遊型公演が実施可能かどうかの検証、島民の方々とコミュニケーションを深める。屋台村が実施可能か、風や海・石・砂・などを利用し作品に活かせることができるか、島内の廃材や資材で美術の創作ができるかを検証。アクセス状況、周辺の地域との関わり方などを検証。地元出演者を募集するために犬島や近隣エリアでのダンスWSを行った。プレイベントの実施。当団体の活動を島内にてプレパフォーマンスとしてショウケースし、関係者や地元の方々により理解いただくため、来年度に向けた本格的な公演の行うための土壌づくりを行った。

活動の経過

【参加作家】
音楽家のカジワラトシをはじめ、メンバー12名が6回にわたり来島。WS参加者総勢28名。犬島学園祭でのプレパフォーマンスの際の団体からの参加18名。観客動員数は当方では把握できていないが、100名は超えていたと思われる。

【他機関との連携状況】
京都芸術センターにて最初のワークインプログレス。横浜赤レンガ倉庫ホールにて作品の根幹を創作。犬島自然の家を仮押さえ。犬島にて家を借り、滞在製作を開始する。旅行代理店と連携予定。

活動の成果

6回にわたり犬島を訪れ、島民の方と交流することで、歴史や文化的背景を直接お聞きすることができた。地理などをリサーチすることで、埋もれていた廃屋や道などを探し出し、パフォーマンスできる場所を開拓した。島内でプレパフォーマンスやストレッチを実施したことでアンチボという集団が島に浸透し、少しは理解いただけたと感じる。岡山県近隣の参加者などもWSやプレパフォーマンスに加わったことで、来島者の増加に繋がった。

活動の課題

【活動の独自性】
市民参加型の作品作りを行うことで、地域の活性化を目指す。島民の方から学んだことや、これまでの歴史などを盛り込み、乗り打ちの公演という形態ではなく、この島でしか成立しない作品に仕上げていく。アーティスト・コレクティブである私たちは、「自分は社会に対して何ができるのか?」という問いと向き合い、それぞれが自身のノウハウを持ち寄り、「島」の環境、瀬戸内の風土のなかでどのような効果的な作品制作ができるのかを検証し実施していく。

【総括】
犬島に滞在し、瀬戸内の素晴らしい風土、歴史、島民の方々の生活に触れ、さまざまな体験をしたことで、犬島という島を舞台と見立て、自由回遊形式を実践するべく、コレクティブにおける創作スタイル、作品に対する意識や考え方などがまとまっていった。また、その歴史や風土をどのように作品に盛り込んでいくか、島を検証するうちに色々な歴史的背景、自然の猛威と向き合うことになった。物のないなかで、いかに自分たちの本領が発揮できるか、創作スタイル自体を島に合わせていく必要がある。島内の人口が減少し、高齢化するなか、全国から集まる20代から40代のメンバーが長期にわたり滞在製作することで、どのように島民の方々と協働できるか、コミュニケーションを繋げ、それを広げていけるかを模索する。その中で芸術的で前衛的な作品に仕上げていくには、より丁寧に島と密着して創作を行っていくことが重要だと感じている。また、集客、アクセス面などにおいてもしっかりと計画立て、全国より来島してもらうための工夫を凝らした作品作りを行わなければならないと感じている。

  • 資材の検討。島にある具材で舞台美術になる装置を検証。島の竹を使い、アルミテープを巻きつけ、風を受けて音がなる装置。

  • 音楽のワークショップ。夏の大△によるワークショップでは、海岸沿いにロープを貼り、空間をどのように設定するか、切り取り方などを参加者が体験した。

  • 京都芸術センターでのワークインプログレス。犬島での作品を想定し、作品のテーマになるような世界観、コンセプトを創作した。