活動の目的
三原市には、お祭りの一つとして神明市(通称だるま市)がある。毎年2月に神明市は開催され、巨大なだるまが路上に設置される等、地域のにぎわいを創出している。RoFReCは、プログラミング教育事業を行っているが、本プロジェクトでは、地域の特色であるだるまを生かしたプログラミング教材の開発を行った。プログラミング教育とだるまのかけ合わせによって、教育と地域の振興に寄与することを活動の目的としている。
活動の経過
活動の経過は、4つの段階にわけられる。
①三原だるまとプログラミング教育のかけ合わせ方についての研究
②教材開発
③親子向けのワークショップの企画と開催
④地域内外へのPR活動、神明市等での展示
三原だるまとプログラミング教育をかけ合わせた教材開発を進めるにあたり、三原だるま職人やデザイナーやプログラミング教育のメンターらとの連携を行い、定期的に打ち合わせを実施した。
どのようなかけ合わせにより三原だるまの特色を生かすことができるのか、また、地域の人たちや子どもたちに愛される教材となるのか、先進事例等の研究を推し進めた。MAKE!REMAKE!ミハラダルマの基本コンセプトを確立させ、また、それを教材開発へ落とし込む作業を行った。
試作は複数回に及ぶが、2019年度版の教材を用いて親子向けのワークショップを全二回開催した。ワークショップによって制作されたミハラダルマを、三原のお祭りである神明市にて展示出展を行った。また、地域外でのプログラミング教育関連のシンポジウム等で、積極的にプロジェクトのPR活動を行った。
活動の成果
・親子向けのワークショップは、2019年9月および11月に開催した。いずれも満員御礼となった。内容は、三原だるまの七転び八起きの特徴を活かし、だるま内に内蔵された加速度センサーが反応することで、三原だるまの特徴であるハチマキが点灯する仕様のプログラミングである。アンケート結果では、子どもたちの95%が「とても楽しかった」「楽しかった」と回答し、保護者の100%が「とても楽しかった」「楽しかった」と回答した。
・ワークショップの様子が、三原テレビ放送によって放送された。また、中国新聞(10月9日付)へも掲載された。2020年度よりスタートする小学校でのプログラミング教育について触れられ、「IT技術の習得と郷土文化への親しみにつなげる」取り組みとして紹介された。記事内では、三原市教育委員会学校教育課 課長の「民間の取り組みと知識を共有し、(学校現場へのプログラミング教育の)スムーズな導入を目指す」とのコメントも寄せられた。
・MAKE!REMAKE!ミハラダルマのロゴが、第11回広島アートディレクターズクラブ公開審査会において、審査員特別賞(髙田唯賞)を受賞した。
・教育イベントや、プログラミング教育関連のシンポジウム等でプロジェクトの紹介を行った。地域の多くの親子の関心を集めた。また、地域外でも伝統民芸品とプログラミング教育のかけ合わせに関心を持つ方が多くおられ、プレゼンテーションの機会をいただいた。また、ユーチューブでもワークショップの様子の動画配信を行っている。
・神明市での展示出展を行った。お祭りの実行委員会の方々やお祭りの参加者に取り組みを知っていただいたことは大変意義深かった。2021年の神明市でも展示を打診いただくなど、プログラミングという新たな角度から三原だるまを見直す取り組みは反響をよんだ。
活動の課題
2019年度の活動を通して、三原だるまとプログラミング教育のかけ合わせは、地域内外で関心をひくことがわかった。活動を広めていくため、より多くの親子にミハラダルマ教材を体験していただきたいと考えている。課題は、教材の販売価格が高くなっていることであり、今後は、教材としての魅力と価格のバランスをとるべく開発を進める。
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三原だるま職人とプログラミング教材の開発
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親子を対象とするワークショップを開催
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神明市でブース出展