アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

飛生芸術祭2019「僕らは同じ夢をみる」

飛生アートコミュニティー

実施期間
2019年9月7日~15日

活動の目的

アートの森づくり活動や芸術祭を通して、地域社会と芸術文化の関わりを創出し、人々の居場所を増やすとともに、地域の文化、人、営みをアートの視点から見つめ、地域資源を再発見し発信していくことを目的とする。

活動の内容

春から秋にかけて行う森づくり活動では「アーティスト」と「地域住民」と「地域外から訪れる参加者」の三者が交流を重ねながら森の整備環境を整え、生態系に配慮しながら、創造的な森づくりを実施。
芸術祭ではアーティストが地域に飛び込み、リサーチを重ね、地域の歴史風土や多様な文化資源や人をテーマに作品を創作・発表する。TOBIU CAMPでは国内外から他分野のアーティストと世代を超えた来場者が集い、森と校舎を舞台に一昼夜、飛生独特の世界観を共有する。

参加作家、参加人数

奈良美智、羊屋白玉、OrganWorks、渡辺たけし、後藤正文、古川日出男、川村亘平斎、OKI、MAREWREW、鎮座DOPENESS、森永泰弘、岡本仁、杉原信幸、石川直樹、田仲ハルと極北会、嵯峨治彦、森迫暁夫、木村崇人、淺井裕介、風間天心、清水郁太郎、西村理佐など

他機関との連携

近隣企業によるイベント時の土地の提供、協同組合白老商業振興会など複数の地元商工会の支援、公益財団法人アイヌ民族文化財団、白老民族芸能保存会、ウイマム文化芸術実行委員会との連携など

活動の効果

長年の活動の成果が確実に実りつつあり、白老町が「芸術のまち」として周辺地域に徐々に認知されるようになってきた。また、来場者、協力者、賛同者が年々増えており、活動領域と出逢いの輪が広がり続けている。森づくりと芸術祭と共に育ってきた子どもたちが創作や表現活動を始めるなど、アートの循環も生まれ始めている。

活動の独自性

当団体の構成員と地域住民の距離が近いため良い意味で境界が無く、アートが町に根差し始めているという感覚がある。地域住民が突然出演者として参加することもあれば、構成員が日常的に町に出没するようになりアートと町があまり分離していない。また、飛生地区では森づくり活動や常設展示の影響でアートが土地とともに年月を重ねており、場の成熟度が年々増している。

総括

2018年度は台風と地震の影響で中止となったため、まずは無事に終了できたことに感謝している。飛生でのイベントは来場者も出演者も2年ぶりとなり、そこにいる全員が喜びに満ちていた。町内連携では、芸術文化を介して当団体と町の商店街や周辺地域との結びつきが強くなりつつある。羊屋白玉が空き住宅で滞在制作を実施し、会場としてスーパーや金物店、公共施設や空き店舗等を活用したイベントを企画するなど、かつてないほど地域との協力体制が整ってきたのを感じた。同時に地域住民自身が当事者となり、企画・運営に参加する形が増えて来ており、今後も芸術文化を通したコミュニケーション促進や、多様な人々との協働の場を作っていきたい。

  • トビウ小7年2組萩野篇 サウンドピクニックの様子

  • 小助川 裕康の作品で遊ぶ子供たち

  • TOBIU CAMPのYoshinori Kikuzawaのパフォーマンス