活動の目的
「鉄工島FES」では、京浜工業地帯の豊かな技術と歴史を再発見し、その環境と、そこで働く人々とアーティスト達とのコラボレーションを生みだし、新しい時代の表現を生みだしていくことを目的としている。
活動の内容
コロナのため緊急事態宣言が延長されていることも鑑み、「場踊り、場叩き」のライブとしての開催は、一般客(2500円で20名予定)ゲスト含めて50名ほどに限定しておこなった(2021年9月23日)。
一方、ライブの様子は、映像作家さわひらきと、写真家 鈴木雄介の撮影・編集で映像作品として完成させた。
参加作家、参加人数
出演者/田中泯、中村達也
映像/さわひらき、鈴木雄介
衣装/YANTOR
参加人数/PEATIXで購入したのは20名、ゲスト含めて約50名
他機関との連携
主催にアイランドジャパン株式会社(スポンサー)、制作・運営にはロケットペンシル株式会社が入った。
活動の効果
田中泯さんと須田鉄工所の須田さんや実行委員副代表の尾針さんと、密なコミュニケーションができた。尾針さんは、田中泯さんの踊りの振動を体で感じながら、鉄工所の誇りを取り戻したと涙を流していた。このライブのためにはじめて京浜島にきたお客様も満足され、充実した機会となった。
活動の独自性
「錆をまといたい」とおっしゃった田中泯さんのイメージに近づけるべく、衣装のYANTORや、撮影・編集のさわひらきさん、鈴木さんとも事前にミーティングを行い、どのように世界観を近づけるか十分に検討の上ライブに挑んだ結果、クオリティの高い映像を残すことができたと思う。
「場踊り・場叩き」はこれまで、劇場や神社の舞台などで行われてきたが、現役の鉄工所で行われたのははじめてのことだ。
総括
今まで、鉄工島FESは、いわゆる「フェス」という形で、さまざまなプログラムを、鉄工所のエリア一体で、そこかしこで行われるという形で実施してきた。コロナの影響で、2019年は中止となったが、せっかくスタートした「鉄工島FES」の灯をたやしたくないという気持ちで、何か一つのプログラムだけをできるとしたら、そしてその一つのプログラムだけでも、全体に匹敵するような強度のあるものができないだろうか、と考えて、今回行うことにしたのが「場踊り・場叩き」である。
田中泯さんは「場」の空気をまとい、即興でおどる。これまでたくさんの場所で「場踊り」をしてきた田中泯さんに、「鉄工所」が魅力的に映るか、泯さんを迎えるときはとても緊張したが、一目見るなり、泯さんの厳しい顔がほころんだ。実は泯さんは大田区で生まれ、錆や鉄を身近に感じながら育ったこと、鉄工所で一時期アルバイトもしていたことを知った。須田鉄工所の須田さんは、同じ場所で育った思い出をとてもなつかしく、感じ、二人はすぐに意気投合した。
中村達也さんの「場叩き」も、鉄工所全体が一つの体となり、内側から鳴り響くような凄まじいものになり、中村さん、田中泯さんの呼吸と、信頼が、この地を鼓舞し、讃えるものになったのは、参加したみなさまにも伝わったと思う。
この空気をどう伝えるか、映像化におよそ1年費やすこととなったが、さわひらきさんのおかげでまとまり、ようやく出演者のOKをいただくことができた。この出来事を伝えていきたい。
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鉄工島LIVE 2021 写真:石原淋
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鉄工島LIVE 2021 写真:石原淋
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鉄工島LIVE 2021 写真:石原淋