瀬戸内海地域振興助成成果報告アーカイブ

高見島「海のテラス」

有限会社 野村正人建築研究所 野村正人

実施期間

活動の目的

2013瀬戸内国際芸術祭から参加している「海のテラス」(高見島)は多くの来場者を迎え、高い評価を頂きました。しかし高見島のまちおこしに十分かといえばいま一歩です。地元の住民が参加できる企画(地元の食材を使い、運営にも協力してもらう)をすること、集落に近づく改修を行うことにより高見島のまちおこしに貢献することを目的としています。

活動の経過

今年、2月から高見島の浦田さん、倉本さんの畑を借りてジャガイモとトマトの苗を植えました。地元の食材を使うためです。前回はレストランの専門業者に委託しましたが、今回は地元のケータリングシェフの中野誠司氏の協力のもと香川短期大学の先生や学生の協力を得てのレストラン運営です。そのために会期スタートまでに5回の料理教室を開き、メニューの絞り込みを行いました。そして本番に向けての実戦も兼ねて地元の町長、瀬戸芸実行委員会の方々を招きキックオフパーティーを開きました。パーティーは琴、ファッションショーを行い好評でした。また、前回はあくまでも瀬戸内海を見渡す絶景テラスでの食事提供でしたが、今回は集落を感じられるように倉庫に窓を開け、木製のウッドテラスのテーブルで食事ができるように改修工事を行いました。このスペースは好評で長い時間くつろいだ方もおられます。

活動の成果

今回、私どもの活動「海のテラス」(高見島)は瀬戸内国際芸術祭の参加プログラムですが、前回から今回へと発展させるうえで、活動助成が非常に役立ちました。特に
① 島での食材(ジャガイモやトマトの作付け)の苗や肥料の買い付け、畑の借地料、協力者の交通費や日当に当てさせてもらいました。 ―結果、地元のおばあちゃんとも知り合いになり、今後島での活動する上で大いに役立つ活動となりました。
② ワイン用のぶどうの苗代、植木屋さんへの支払い。 ―ぶどうの苗が5本と少なくまた今年のぶどうの生産量によりますので、これは今後の課題です。
③ テラスの集落側への開口およびテラスの制作の材料費および協力者の交通費や日当に当てさせてもらいました。 ―テラスの集落に向けての開口スペースが出来上がってより開放的なスペースになりました。
④ レストランの運営を地元のケータリングシェフの中野誠司にお願いして香川短大の先生や学生や地元のお母さんにも協力してもらいました。 ―学生さんにとっても忙しいレストランの経験もでき、オープンデスクの効果もあったと思います。大学の先生と連携活動ができ、今後の活動にも役立つと思います。
⑤ 離れの改修を行う資材、協力者の交通費や日当に当てさせてもらいました。 ―今後ゲストハウスを予定していますが、宿泊は島の良さをわかってもらうにも大切な活動と位置付けています。

活動の課題

① レストラン運営が週末レストランとして運営できる施設となること。そうなれば、島が少しでも潤い、まちおこしに役立てられます。
② 本年、離れをゲストハウスとして運営をスタートさせること。島に泊まることにより、島の魅力をより体感してもらい、多くの方に広める効果があります。

  • 中野誠司氏を中心とする料理教室の風景

  • 地元の畑で育てたハーブの収穫風景

  • 集落の見える開口、ウッドテラスの制作風景