活動の目的
現在、本島の山は過疎高齢化により人の手が入らず、荒れ果てた状態にあります。
しかし、本島の山には隠れた観光資源が数多く存在しており、それらを整備して新たな観光ルートとすることにより、島の活性化と、人の自然の調和がとれた里山の復興への足がかりになるのではないかと考えました。
高無坊山山麓に点在する残石は、大阪城や江戸城を築城する際に切り出されたもので、数種の刻印、矢穴を確認することができます。
これらの残石群周辺まで作られている登山道を延長して整備を行い、当会が管理を行っているみかん山と結ぶことによって、新たな観光ルートを確立することを第一の目的としました。
第二の目的として、数年当会が管理をしているみかん山の整備の継続、第三として甲生にある平家ゆかりの亀山古墳周辺の不要樹木の伐採、下草刈を行い、埋もれた観光名所の掘り起こしとすることになりました。
活動の経過
1. 高無坊山残石群周辺の整備
残石群周辺まで延びている登山道を、残石群を結ぶように延長するための調査を行った結果、残石群周辺の地盤が非常にゆるいことが判明しました。
その結果、現在すでにできている登山道周辺の伐採や整備については可能だが、新たに残石を結ぶように登山道を延長することは残念ながら困難であるという結論に達しました。
今回は計画に取りかかることもできず終わってしまいましたが、今後も、安全性を確保しつつ残石群を観察できるルートの確立に向け、取り組んでいきたいと思います。
2. みかん山の整備
6月から7月にかけて、数度草刈と施肥を実施。
うっそうと茂った雑草の間で、木が数本枯れてしまっていました。
12月 収穫
今年も小学生のみかん狩りを行いました。
農薬を使わないせいか、皮にスレがあり見栄えは悪いですが、味は抜群です。
活動の成果
みかん山はもっと手を入れることで、観光客に喜んでもらえる場所になると感じました。今後も継続して整備を行い、周辺の史跡や景観とセットで楽しんでもらえればと思います。
活動の課題
今回、第一の目的に掲げていた残石群整備が頓挫してしまったことで、みかん山や周辺の史跡とルートを結んで観光コースを展開という流れをつくることができませんでした。
また、協力者の高齢化が進み、体を使っての作業はなかなか進めにくくなってきています。
ただ、みかん山や周辺史跡の整備による成果は確実に上がっているので、今後も活動を継続するために、島内外の若い層の協力と理解を得ることが重要になってきていることを痛感しました。
今後は世代の枠を超えて、本島の活性化に取り組んでいければと思います。