活動の目的
佐渡島に作家らが集い、それぞれの感性、芸術観にもとづいて制作・研究を行い、地域、作家らが一体となって新しい芸術空間や価値を創造するのが目的。2018年度の芸術祭本開催に向けて、作家と島のマッチングツアー、勉強会、研究、取材など多角的なアプローチで「現在」の佐渡の芸術を育み、継続的な発展を目指す。
活動の内容
2018年度「さどの島銀河芸術祭 2018」開催へ向けたプロジェクト実施。
1)リサーチ・プロジェクト
佐渡の自然、風土、芸能、伝承、生活芸術についてのリサーチ。成果レポートのほか、芸術祭作品のテーマとして現代芸術に還元。鬼太鼓保存会、能などの伝統芸能、版画の会等の取材を行った。
2)アーティスト・マッチング・ガイドツアー
2018年度芸術祭参加希望アーティスト向けのマッチング・ガイドツアーを開催。
3)講演会
芸術祭実施・運営のための講演会。ツアー開催に合わせて講師を招聘、全5回。
4)独自企画制作
2018年度芸術祭実行委員会独自企画の展示に関しての制作。
実施場所:新潟県佐渡島
参加作家、参加人数
美術評論家の椹木野衣氏や、現代美術家の宇川直宏氏が参加し、実行委員会メンバーや多くの市民等が参加。また、できやよい氏(画家)、Kujun氏(ミュージシャン)、松崎友紀氏(即興舞踊家)が、マッチングツアーで来島し、2018年度の作品制作について意見交換をした。その他「芸術祭のつくりかた」と称した、講演会を全5回開催し、計200人ほどの参加者が、市民だけでなく島外からも集まり活発な意見交換をした。
他機関との連携
佐渡市、公益財団法人 鼓童文化財団、アースセレブレーション実行委員会、一般社団法人 佐渡観光協会、宿泊業者、多摩美術大学芸術人類学研究所などと連携して事業を実施した。
活動の効果
佐渡島全体の文化力向上。若年層の美術とのマッチング機会創出による教育普及効果(島内に美術館がないため)。大地の芸術祭、水と土の芸術祭等、県内先行大規模芸術祭などとの連携による、県全体の文化芸術ネットワークの形成に寄与。農村、漁村、港地区における新たな観光拠点の創出と滞在型・目的型観光の誘客。土地の伝承、伝統芸能、生活芸術等を、現代芸術の表現を通じて、次代へ継承する足掛かりとなった。
活動の独自性
行政主導の芸術祭が多くある中、市民発動の芸術祭である点。また、佐渡島の自然・歴史・伝承・風土を大切にする点。島と作家、作家と島民のマッチングを重視し、実行委員会は島と芸術の媒介としてコーディネーター的役割を果たす。土地に根ざした制作展示とリサーチが交差する芸術祭プロジェクトを通じて、歴史に連なる佐渡島の今を反映し、世界や未来につなぐことを企図している。
総括
美術評論家、椹木野衣氏が所属する多摩美術大学芸術人類学研究所による佐渡研究には多くの市民が参加し、佐渡における芸術人類学について研究を深めた。現代美術家の宇川直宏氏は、マッチングツアーで来島。両氏には、芸術祭のアドバイザーとして就任していただいた。できやよい氏、Kujun氏、松崎友紀氏が、マッチングツアーで来島し、2018年度の作品制作について意見交換をした。また作品制作や食のメニュー開発を通して地元の人々が活力を得、高校生によるボランティア活動にも波及した。他機関との連携もより強く結びつき、2018年度の開催の後に続く事業となった。
また、「芸術祭のつくりかた」と称する講演会を全5回開催し、市民だけでなく島外からも計200人ほどの参加者が集まり、活発な意見交換をした。
講師としては以下の方々を招聘し、佐渡での芸術祭の可能性について議論が深まった。
第1回、加藤種男さん(水と土の芸術祭2015アドバイザー)
第2回、芹沢高志さん(さいたまトリエンナーレ2016ディレクター)
第3回、渡辺斉さん(新潟県建築士会常務理事)
第4回、港千尋さん(写真家・著述家)
第5回、小川弘幸さん(水と土の芸術祭2018アドバイザー・文化現場代表)