活動の目的
珠洲市は「祭とヨバレ(食)」に象徴される「忘れられた日本」が現存する過疎高齢地域である。地方創生の切り札として、北川フラム氏を総合ディレクターに迎え、2017年秋からトリエンナーレ形式で奥能登国際芸術祭を開催すべく、準備を進める。
活動の内容
奥能登国際芸術祭2017に向け、これまで作り上げてきた素地を元に、実践的な基盤づくりを行った。
作家の選定を本格的に開始し、指名と同時に公募によっても選定した。芸術祭本番に向けた機運を高めるために開催したシンポジウムでは、作品公募によって選出された作家を含め、参加作家の作品プランを発表した。
市民の理解と自分ごと化を促進するために、写真コンテストを核とした珠洲の魅力の再発見プロジェクト「おくノート」を展開した。地域特色を掘り起こすことで今後の作品制作に活かす。SNS等を活用した情報発信も併せて行った。
参加作家、参加人数
作品公募:応募企画数 226点/現地見学会参加者数 32名/公募選出作家 10組
シンポジウム:参集者数 約350名/出演者 石川直樹・北川フラム・谷口界・中村浩二・福田敏也
「おくノート」:写真と言葉の投稿コンテスト 投稿数 1,892点/関連イベント参加者数 約280名
他機関との連携
珠洲市、珠洲商工会議所、珠洲市内公民館、観光協会、旅行会社、宿泊・飲食店などと連携して事業を実施した。
活動の効果
奥能登国際芸術祭2017開催に向け準備を進めるなかで、参加作家や来訪者との交流や「おくノート」プロジェクトを通じて、奥能登珠洲の生活文化の価値および魅力を再発見することができた。特に「祭りとヨバレ」については、市民がそれが地域の誇りであることを再認識することにつながった。加えて、ウェブサイトやSNS等を通じて広く発信することができた。
活動の独自性
能登半島の先端に位置する珠洲市は、東アジア地域に向けて突出しており、古くから海と陸の交流が盛んに行われてきたことで特異な文化が育まれてきた。地理的に孤立していることから、日本文化の源流ともいうべき昔ながらの暮らしや風習“忘れられた日本”が今でも残る。奥能登珠洲に眠るポテンシャリティをアートの手法により掘り起こし、日本の“最涯”から“最先端”の文化の創造を試みる。
総括
地方創生の切り札として「奥能登国際芸術祭2017」を開催すべく具体的な準備を進めてきた。
魅力を高める直接的な手法としてのアートにおいては、2017年2月19日時点で参加作家がほぼ出そろった。10の国と地域から31組が参加し、土地に眠るポテンシャリティを掘り起し、“最涯”から“最先端”の文化の創造を試みる。
珠洲の持つポテンシャリティを再認識する「おくノート」プロジェクトでは、写真コンテストへの参加や、投稿作品を見ることにより市民自らが珠洲の魅力を再認識できた。加えて、その魅力を広く発信することができた。
2017年度は、2016年度に実施してきた実践的な基盤をもとに、作品制作、広報宣伝、運営体制整備を準備し、市民の総力をあげて奥能登国際芸術祭2017を開催する。
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作品公募現地見学会の様子
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奥能登国際芸術祭企画発表を行う北川フラム氏
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「奥能登珠洲魅力100選」を発表