活動の目的
青森という特徴ある歴史文化性を生かしつつ、日本でも有数の活動を行う周辺アート施設等との協調を目指し、アートによる市民力のアップと、市民によるアート施設のパワーアップを両立させる。
活動の内容
青森市が主催する市民参加イベント「A-Paradise2015」のコンテンツの一つとして、現代アート展を開催するため、都市に新たな価値を生み出すにはどんなアーティストが必要か、国際芸術センター青森をはじめ専門家のサポートを交えながら招聘アーティスト2組(県内外各1組)を選定し、中心市街地空き店舗に、招聘アーティストによる作品を制作展示した。また、市内の中学校高校と連携し、県内アーティストによるワークショップを教育プログムとして行った。アートと一般観客、中心市街地や地域の活動とを連携強化するためにスタンプラリーを行った。
実施場所:青森市中心商店街
参加作家、参加人数
アーティスト山崎千尋(東京芸術大学大学院在籍)、豊川茅(青森市在住)が参加。A-Paradise2015全体では4,500人が来場、空き店舗の展示には940名が訪れた。アーティストによるワークショップには市内の中高生19名が参加した。
他機関との連携
アートでオン!、青森市文化スポーツ振興課、A-Paradise実行委員会、合同会社tecoLLC、国際芸術センター青森、昭和通り商店街などと連携して事業を実施した。
活動の効果
多くの市民にとって賑わいの象徴として記憶にある空き店舗を活用したことで、アートに興味がある層はもちろんふだん美術館を訪れない層に対するアプローチにつながり、会期中再び中心商店街に人の流れを生み出した。また、ワークショップを通して、学生が直接アーティストに接し、作品を創作する現場に立ち会うことで、青森市が提唱する「アートで音楽のあるまちづくり」の裾野となる学生を巻き込むことに成功した。
活動の独自性
青森の歴史文化性を生かしつつ、日本でも有数の活動を行う周辺アート施設等と協調することで、アートによる市民力のアップと、市民によるアート施設のパワーアップを図った。芸術文化によるまちづくりを推進する青森市、あおもりNPOサポートセンター、A-Paradise実行委員会が市民主導の形で実行し、新しい表現の開発をアーティストと町の人々との連携の中から模索していく場を形成するとともに、それらを通じた創造的な人材の触発、育成を見据えた活動である。
総括
青森市の目抜き通りにランドマークの如き存在感を持ちながら10年前に閉店した店舗のドアを再び開け、東京、青森のアーティストがそれぞれの目線によるサイトスペシフィックな展示をし、多くの人が訪れ、世間の注目を浴びるところとなった。また青森市主催の市民参加イベント「A-Paradise」と連携したことにより、まちなかに多くの人の流れを創出することにも成功した。現代アート展をまちなかの空き店舗で開催したことに対する市民、商店街の反響は大きく、これをどこでも行われる単発的なお祭りに終わらせることなく、青森の歴史文化性を生かし、さまざまな人や組織とネットワークを構築しながら継続することが必要だと感じた。
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「啼かない烏」(ナカナイカラス)/山崎千尋
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「BABY」(ベイビィ)/豊川茅
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アーティスト豊川茅によるワークショップを開催