活動の目的
福島原発事故を受け、全国で避難生活を送る避難者たちが浪江とつながることで、心の拠り所となるプラットフォームの提供を目的とする。
活動の内容
いつでもどこでも浪江とつながる電話の作成と設置を行う。お披露目(試験設置)として、本体を仮設住宅集会所に3日間設置し、インスタレーションとの連動や本プロジェクトの広報活動を行う。さらに、HPを開設し、メッセージ送信欄を設ける。帰還準備が整った浪江にインスタレーションを設置することを最終目標に、浪江の復興事業の一つとして、町役場との協力や理解を得るための活動を継続的に続ける。
実施場所:オンライン・福島市笹谷仮設住宅
試験設置期間:3月25~27日
参加作家、参加人数
制作: 東北大学情報科学研究科・東北大学学友会美術部(6名)
スタッフ:3名
参加対象:浪江町避難者・笹谷東部仮設(130名)
参加人数:26名(設置3日間)
他機関との連携
浪江町自治会や東北大学との連携から本プロジェクトを実施した。
活動の効果
3日間の浪江につながる電話設置では、電話口から聞こえる懐かしい音を聞くため、日頃の出来事を語りに連日電話に通う参加者たち。多くは長時間にわたり、応答しない電話に向かって、語りかけていた。仮設でのイベント減少や風化が進む中、主体性が持てる企画「日常の中にふるさとを身近に感じる場」の提供から、避難者たちの心の拠り所としての可能性を確認した。
活動の独自性
○ 一度きりのイベントではなく、永続的に自走可能なホットラインを開設できること。
○ 全国で避難生活を送る避難者たちが「いつでもどこでも」ふるさとへアクセスできること。
総括
震災6年目を迎えた避難者たちは、将来への不安を抱えながら生活を続けている。本プロジェクトでは声高に言えない日々の苦労やストレスのはけ口としての場を創出するプラットフォームを提案した。現段階では、「どこからでも」電話が通じるアプリケーション作成にまで至らなかったが、固定電話による、浪江につながる電話を設置し、避難者たちによるホットラインの必要性を確認した。オブジェを浪江に設置するかどうかは国、役場の復興事業過程で決まるので、しばらくは、オンラインや仮設などでのお披露目を続け、資金獲得を目指したい。