活動の目的
豊かで特色ある森が県土の7割を占める福島県は「森の国」である。森を育て、暮らしを営み、文化を培ってきた人々にとって、森は身近な存在であった。その美しい自然と豊かな森をテーマとし、地域の文化から見直したアートプログラムを通して新たな福島のイメージを発信する。
活動の内容
会津地方を中心に、芸術文化の視点から、福島の森林とそれに関わる文化・生活・産業の見直しと再発見を通じ、地域住民と共にアートプログラムを構築し、活性化を促進する活動を行ってきた。2015年はエリアを拡大し、裏磐梯があり260万人の観光客がある北塩原村、はじまりの美術館がある猪苗代町、東日本大震災で甚大な被害があった南相馬市でもプログラムを展開した。ワークショップや展示、トークイベント、セミナーなど30以上のプログラムを実施し、対外的に福島の森林文化の発信を行ってきた。
実施場所: 福島県喜多方市、耶麻郡西会津町、大沼郡三島町、耶麻郡北塩原村、南相馬市、猪苗代町
参加作家、参加人数
エリアプログラムのほか、森のはこ舟から派生・関連して実施したプログラムに関わったアーティストは、総勢16名。
多種多様なプログラムを開催することで、参加者延べ数は2,000人以上となった。
他機関との連携
開催地域の行政をはじめ、地域づくりや地域起こしなどで活躍するNPO法人や民間企業とも連携して事業を実施することができた。
活動の効果
「アート」という手法を用い、身近にある森林の文化を素材にして取り組んでいることで、幅広い年齢層の方にプログラムへ参加いただくことができた。地元の小中学校等の授業の一環としてもプログラムを活用していただくことができた。これは参加したアーティストがその地域の人々と語り合い、その地域の文化にしっかりと触れて考え出されたプログラムだったからだと考える。
活動の独自性
・森林文化をテーマにした全国的にも例を見ない形式
・地域の文化や資源を活かしたプログラムの展開
・地域住民が参画してアーティストと創り上げるプログラム
・多種類小規模プログラムを開催することで多種多様な方々に関わっていただける
総括
地域の森林文化に密着し、地元の人を巻き込んだプログラムであることで、地域性が如実にプログラムに表れ、さらに多数のアーティストの協力をいただき、「アート」という手法と地域の文化をうまく融合させて発信することで、年齢を問わず、本当に多くの方に関わっていただけるプロジェクトとなっている。地域性、森林文化を重視することでさまざまな切り口のプログラムが考案され、それにより小規模ではあるがプログラムによって全く異なる人たちを巻き込むことにつながり、2,000人を超える多くの方々に森林文化を発信することにつながっている。
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南相馬フォーラム「つなみがおしえてくれたこと」
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プログラム「森をえがく(村山修二郎)」の様子
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プログラム「森光水(逢坂卓郎)」の様子