活動の目的
「瓦の音楽プロジェクト」を通じ、“異文化としての瓦”を提示、音楽を通じて瓦が可能性で満ち溢れていることを発信、地域自体が地域文化の可能性に目を見張る契機とすることを目指す。
活動の内容
2015年度は、『瓦の音楽』を通じたインドネシアとの国際交流を実施した。
① インドネシア音楽家2名を招聘、南あわじ市・津井にて創作活動実施、地元の教育機関、お寺、カフェにて「瓦の音楽コンサート」を開催。
② 日本の瓦の音楽チームが淡路瓦を携えてインドネシアへ渡航。ジョグジャカルタの芸術大学にて「瓦の音楽レクチャー」を実施。“瓦のまち”ジャティワンギを訪問し、瓦工場見学や現地アートNPO・Jatiwangi Art Factoryとの交流を実施。ジョグジャカルタの文化施設にて「瓦の音楽コンサート」を開催。
③ ②の成果報告として、“インドネシア瓦”を使った「瓦の音楽コンサート」と「瓦の音楽展示会」を実施。
実施場所: 隆泉寺、SPACE233、Museum Tembi RumahBudaya、南あわじ市産業文化センターほか
実施期間: 2015年9月28日~10月5日、2016年2月8日~18日、3月6日、3月8日~15日
参加作家、参加人数
瓦の音楽監修者の野村誠さんとやぶくみこさん、インドネシア舞踊家の佐久間新さん、作曲家のGardika Gigih Pradiptaさん、ガムラン奏者のWelly Hendratmokoさんほか、地元アーティストとのコラボレーションも実現、本事業には延べ1,177人のお客様にご来場いただいた。
他機関との連携
助成各機関、南あわじ市・津井の瓦工場や小学校、幼稚園、お寺、産業文化センター、洲本市内のカフェ、観光協会、ジャティワンギのアートNPO、ジョグジャカルタの文化施設などと連携して事業を実施した。
活動の効果
インドネシアとの国際交流コンサートをきっかけに、“瓦のまち”津井にて壁画プロジェクトが始動、瓦師さん自らが瓦楽器の開発に乗り出すなど、文化的視点から地域を盛り上げていこうといった新たなうねりを見せている。またインドネシア舞踊やガムランといった他楽器とのコラボレーションを試みた結果、「瓦楽器として“瓦”を買いたい」といったお言葉も多数寄せられ、瓦楽器が音楽療法の一環として活用され始めている。
活動の独自性
インドネシアでは、「Ceramic Music Festival」を開催するJatiwangi Art Factoryのメンバーと瓦楽器でセッションをするなど、まさに“瓦”を通じた国際交流を実施した。瓦とは元来、屋根素材だけでなく1,000℃近い高温焼成した焼き物のことを指し、また人類最大の発明の一つと称されることもある世界文化である。産業製品でありながら、文化でもあるところに瓦の可能性がある̶産業もまた地域の資源であるという理解の上にアートの力を挿入することで、そこにさらに国内外の枠組みを越えた交流と相互理解の機会を実現し、地域とともにその未来を創造してゆく縁とすることができると考えている。
総括
2015年9~10月にかけて、インドネシアより若手音楽家2名を招聘し、活動拠点である南あわじ市・津井にて創作活動を実施。同じく津井にあるお寺・隆泉寺で開催したコンサートには島内外より200名を超えるたくさんのご来場と大きな反響を得た。2016年2月には、瓦の音楽チームが“淡路瓦”を携えてインドネシアへ渡航。津井と同じく瓦の産地であるジャティワンギを訪問し、瓦工場見学や現地アートNPOと交流。お互いの活動に対して意見交換等を行い、交流の証として“淡路瓦”と“インドネシア瓦”の交換をした。また、ジョグジャカルタにある文化施設では「瓦の音楽コンサート」を開催。9月に来島したインドネシア音楽家2名はもちろん、現地アーティストとのコラボレーションも多数実現し、会場には200名を超えるお客様が詰めかけ、大熱狂のうちに幕を閉じた。インドネシア渡航の成果発表として、3月に「瓦の音楽コンサート」と「瓦の音楽展示会」を開催。コンサートでは、インドネシアから持ち帰ってきた“インドネシア瓦”を中心に音を奏で、当日会場に集まった100名を超えるお客様に瓦の音世界を愉しんでいただくことができた。
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瓦の音楽コンサートat 隆泉寺の様子
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ジョグジャカルタでのコンサートの様子
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インドネシア渡航報告コンサートの様子