アートによる地域振興助成成果報告アーカイブ

坪野フィールドパーク̶2014̶

里山フィールドパーク実行委員会

実施期間
2014年4月~2015年3月

活動の目的

「復幸」を活動の基軸に据えていたが、2014年からは「感幸」へと発展させ、革新的感幸未来をつくることを目的に活動をしている。

活動の内容

里山には豊かな自然と厳しい環境が残されている。これからの日本は自然に生かされていると自覚し、先人が暮らしの中から編み出した「自然とともに生きる知恵」を学び、伝えていくことが大切な時代である。
アーティストがその媒介として関わることによって、その意義は文化芸術的にも大きく飛躍し伝承すべき祭事や子どもたちの新しい未来をつくることができる。
■ 江戸後期の土蔵と茅葺古民家再生:全国から担い手を集め、持続的な再生に取り組んだ。
■ 国内外の研究者や活動者を坪野集落に招き、研究会や意見交換会を実施した。
■ 坪野集落をアートフィールドにした活動を展開し、次世代育成を目指した取り組みを行った。
■ 野外演奏会や音楽教室を開催、収穫祭などの地域催事と連携し、音楽家を招いた。
実施場所:新潟県十日町市松之山

参加作家、参加人数

■土蔵や茅葺古民家再生 延べ120人/8回
■納涼祭 50名/1回
■音楽教室や野外演奏会 延べ500名/年
■布川カフェ企画 延べ800名/60回
■国際交流、研究会 延べ60名/4回

他機関との連携

地域おこし協力隊、布川地区協議会、松之山商工会、松之山温泉協会、取手アートプロジェクトなどと連携して事業を実施した。

活動の効果

■ 通年で取り組める活動とそれを支える運営体制の確立に向けてシフトすることができた。
■ この活動を通じて移住一世帯、定住一世帯を増やすことができた。
■ 坪野集落を含む布川地区全体の催事と連携した活動をすることができた。
■ ブラジルや香港、韓国など海外の方々を迎え入れる素地ができた。

活動の独自性

■ 里山文化を知り、伝えることにより、日本がこれから歩むべき姿を各地域で実践している。
■ アーティスト(表現者)が関わり、既成の仕組みを改革し、地域と協働で地産資源や人材を有機的に結びつけた創造里山づくりを展開している。
■ 拠点が形成されることにより、国内外から様々な方を招聘した活動が始動している。

総括

1997年より坪野集落内(12世帯)に廃墟となっていた茅葺古民家再生を、美術家や音楽家などの表現者が通い続けながら始めたことがきっかけとなり、持続的な里山環境づくりを目指したアートフィールドや野外舞踏公演、琵琶の演奏会などを定期的に開催した。本年は、特に東日本大震災以降に崩壊した土蔵や古民家の再生を推し進め、地域外の協力者や参加者を集めることで継続的な活動づくりを目指した。また、年間の地域催事の開催や山整備など徐々に難しくなっていた状況を受け、地域おこし協力隊などとも連携し、恒常的な活動に力を注いだ。さらに女衆の会とともに、2015年開催の大地の芸術祭に向けて、カフェ企画や海外のお客様を受け入れるおまねきの会なども展開した。