活動の目的
芸術文化の振興、多様で質の高い芸術文化に触れる機会の創出(充実)やアート作品を新たな『入口』として、訪れる人に国東半島の素晴らしい自然や奥深い歴史文化といった魅力を体感してもらうことを目的とする。
活動の内容
「国東半島芸術祭」は、2012年度から本格的な取り組みを開始し、同年度の「国東半島アートプロジェクト2012」、2013年度の「国東半島アートプロジェクト(国東半島芸術祭プレ事業)」を開催しながら少しずつ準備を進め、これまでの集大成として2014年10月4日から11月30日までの50日間、国東半島内の豊後高田市及び国東市の各所を会場に開催した。「国東半島芸術祭」では、パフォーマンスプロジェクトなど一部を除き、各プロジェクト会場での作品鑑賞やトークイベントなどは原則無料とした。また、地域に根ざした芸術祭とするため、地域住民等が主体となった芸術文化事業や来訪者のもてなしへの取り組みなどを「国東半島芸術祭応援プロジェクト」として実施した。
実施場所: 大分県国東半島(大分県豊後高田市、国東市 各所)
参加作家、参加人数
NPO法人BEPPU PROJECT山出代表が総合ディレクターとして参加。地域に根ざした芸術祭とするため、地域住民等が主体となった芸術文化事業や来訪者のもてなしへの取り組みなどを「国東半島芸術祭応援プロジェクト」とし、37団体が事業を行った。期間中来場者は当初見込みの2倍となる60,028人であった。
他機関との連携
実行委員会構成員である大分県、豊後高田市、国東市、公益社団法人ツーリズムおおいたをはじめ教育委員会、観光協会、商工会、地元企業などと連携して事業を実施した。
活動の効果
意見交換会などによる地域の方々の声として、芸術祭での活動に対する充実感や今後の地域活動に対する前向きな気持ちを多く聞くことができた。芸術祭の開催を契機として、「国東半島」の魅力を全国に発信し、アートという新しい切り口から従来とは異なる来訪者層(都市部在住の若年女性層)を掘り起こすとともに、アーティストの見方や来訪者とのふれあいを通じて、地元住民が地域の魅力を再認識する好機になったものと思われる。
活動の独自性
アートの力を借りて地域の魅力を広く伝えたいという考えのもと、国際性が豊かで参加作家が多い従来の芸術祭とは異なり、場所の力や可能性を活かすために、鑑賞するのに2時間もかかる作品や、丸1日かけてひとつのパフォーマンスを体験するようなものを実施。作品の数は最小限に絞り、一つのプロジェクトに関わる時間を大切にした。作品を数多く見ることで来場者に満足してもらうのではなく、場そのものを深く体験してもらいたいという手法が国東半島芸術祭の独自性。
総括
来場者数については、当初3万人を見込んでいたが、開幕以降、台風19号の接近に伴い10月12日(日)は終了時間を1時間切り上げ、翌日の13日(月・祝)は臨時休業の措置をとったものの、土・日を中心に順調な人出を維持し、会期半ば過ぎ(11月6日、34日目)には見込数に達し、最終的には当初見込みの2倍となる60,028人となった。来場者アンケートでの回答全体の9割以上、各地区の住民のアンケートでは約7割が「継続開催」を希望しており、今回の成果や課題を踏まえ、あらためて検討されるべきものと考える。一方、今回の芸術祭により設置された作品の活用、また、芸術祭をきっかけに生まれてきた地域住民の“やる気、元気”、これらをいかにして地域の振興に繋げていくのか、今後、さらに具体的な取り組みが必要であると思われる。